続・帰ってきたはぐれ日記

@えりえりの個人ブログ ネットまわりのことを主に書いていきます

久しぶりに紅茶の話

先般、わたくしも人の子としてまた一つ年を重ねまして(笑)
お陰様で、たくさんのメッセージやプレゼントを頂戴し、ありがとうございました。
もう、紅茶大豊作!!!────さすが、わかってらっしゃる。


という、少し天狗な書き出しで、始めてしまいましたが
その中に、ほんの少し、毛色の変わったお茶が混じっておりましたので、ご紹介いたします。

ちょうど特集記事を、webでもみつけました。
【マリアージュフレール】空中庭園をテーマにした新作、「フレンチ サマー ティー バビロニア」


うつくしいスタイルなどは、上記リンクをご覧頂くことにいたしまして
お味と香りのほうはと申しますと、こちらの記事にもある通り
ザクロ・オレンジピール・カシスベリーなどのフルーツのほか
わたしの舌と鼻で確かめた限り、以下のフレーバーが混沌かつふくいくと、美味芳香を醸しております。
矢車菊、ワイルドローズ、ミント、カルダモン(これはちょっと謎)

詳しい方はもうすでにお気づきでしょうが、これは覚醒系の典型的なハーブティーのブレンド処方ですね。
(ハーブティには、大きく分けて、鎮静系と覚醒系────ダウナー・アッパーがあります)

夏ですから、どんより、ぐったりした頭と体をシャキッ!とさせようということでしょう。

もう少し探って
ことフレンチらしさがあると感じたのは
ベースになる紅茶が、印度産でなく中国産(キーマン)であることかな?

なんて書くと、あまりに味がないので、ここは支那茶と申しましょうか。
これまでに、何度も引用させて頂いた
堀口大學氏翻訳の、ジュネ「花のノートルダム」の冒頭を思い出しつつ……

田舎から初めてパリに出てきた男娼ディヴィーヌが、
精一杯のお洒落をし、カフェでギャルソンにオーダーしたのが
支那茶にしてくださいね、ボーイさん。よく煎れて」でした。(記憶に頼ってます)


物語に出てくるのは、おそらく紅茶でなく、中国茶の主流である半発酵茶であろうとも思うのですが
インドの紅茶を、かの大英帝国が国ごと買い占めていた時代。
(考えてみたら、凄いことやったもんだね)
それを表向き鼻で笑って、カフェを楽しんでいたフランス人も、文化とお洒落には弱かった……
茶というものが、
ヨーロッパに於けるエキソシズムの象徴であり、趣味と贅沢のひとつであったのが、よくわかる冒頭シーンだと思います。


いっぽう
日本人にとっては、フレーバーティーというものは、昭和の時代を経ても
なかなか庶民には馴染めないものでした。
ハーブティーですら、薬効のほうが先に宣伝されたほど
お茶に、こうした匂いが付いていることには、少なからず和漢薬のイメージがあったろうと思われます。

(今も、ラプサンスーチョンという中国茶を正露丸と呼ぶのは日本人くらい 笑)

その一つに、茶道という究極があり
差し向かいには、庶民が普段からたしなんでいた番茶の文化がありました。
特別にしろ、日常的にしろ、茶に馴染みがありすぎたのかも知れません。


また
日本産の茶葉は、中国や印度のものにくらべると、新芽のうちに摘み取り加工するため
比較的、おだやかな口当たりと香りがしたこと
日本の水の多くは軟水で、酸素を多く含み、茶葉の開きがよく、苦みが少ないことなどもあげられます。

その代わり、チャイなど濃いミルクで煮出しスパイスをも楽しむお茶には物足りなく、向きません。



そんな日本でも
近年は、すっかり抵抗なくフレーバーティーが根付いたように思います。
わたしの若い頃のように、輸入食材のお店を探し歩いて、ようやく好みのものに出会うといった苦労もなくなりました。
食生活の多様化と、日本人の嗜好の変化が後押ししたのかなぁ……


お茶を頂いていると、色々なことを思い出します。
まるでハーブティーのような、強い香りと独特の口当たりのする
こちらのバビロニア
夏のおいしいお茶として、定番になってくれると嬉しいです。